新築したので実験しよう!

35年ローンで実験装置✕ 自宅◎を作ったので、実験したい! (2023年9月以前の投稿に、一部、試しに入れたアフィリエイトリンクが残ってますが、その広告収入を目的とした記載内容の記事はありません。)

PM2.5やHCHOの我が家の実測値とフィルターの効果

先日、24時間換気のフィルターの汚れから、東京の空気の汚さに驚き、フィルターを増やしたことをご紹介しました。


では、実際のところ、どのくらい汚い空気を、どのくらいフィルタリングできているのでしょうか?


また、24時間換気は、2003年に、シックハウス症候群の対策を契機として、建築基準法で義務化されました。もちろん、F☆☆☆☆の製品ばかり使われているはずですが、実際、シックハウスの原因の代表例とされたホルムアルデヒドはどのくらい抑えられているのでしょうか?


以前少し触れましたが、実は、我が家では、入居後、温度やCO2濃度以外に、PM2.5 や、HCHO(ホルムアルデヒド)も、計測し続けています。


今回、最近の測定結果をまとめてみましたので、
⭐ホルムアルデヒド(HCHO, TVOCの代表例)
⭐PM2.5(空気汚染物質の代表例)
の順でご紹介します。


⭐ホルムアルデヒド
たとえば、こちらは東京都福祉保健局のページですが、ホルムアルデヒドの基準値は、100マイクログラム/立方メートル (0.08ppm)と書いてあります。


さて、我が家はどうか?
最近の測定結果はこちら、左の軸と灰色の線が二酸化炭素、右の軸と黄色い線がホルムアルデヒドです。

灰色のCO2は、1000 ppmをほとんど超えないように、しっかり自動制御できています。(1900まで飛び出ているのは恐らく、計測器に近づいて直接息がかかったとき。)


そして、黄色のHCHOも、基準値の100を超える時はありますが超え続けることはないですね。建築中に見学したときからずっと、明らかに基準値を超え続けたことはありません。


もし家(建材)から常に基準値以上で揮発しているなら、換気を弱めると、基準値以上になり続けることがあるはずですが、そんなことはないので、確かにF☆☆☆☆の効果は充分な様です(^○^)


我が家は準耐火建築のため、自然素材を使いづらく、そこまでこだわれる予算もなかったため、仕上げも集成材やベニヤと壁紙(ビニールクロス)だらけ。でも、大丈夫ですね(^○^)


でも、グラフを見ると、基準値を超えているときがたくさんあります。それはよくあることなのですが、実は、このセンサー、たとえば、手をアルコール洗浄したりすると、鋭敏に反応します(^o^ゞ


そのため、上のグラフを見ると、人が多い、CO2濃度が高いときに、HCHOセンサーも反応していることが多いですね。それ以外の時もありますけれども。


この手のセンサーでよくあるのは、
①TVOCセンサーとして販売されている、主に酸化物半導体センサー
②HCHOセンサーとして販売されている、主に電気化学センサー
の2種類です。


そして、①も②もアルコールに反応します。
①の方が、空気清浄機などにも搭載されていて良く使われています。
実際にはどちらも様々な物質に反応するので、本当に気になって、HCHOだけを調べたければ、専門家による別の検査が必要になるわけですね。


また、①と②の実用上の大きな違いは、①のセンサーの方が二酸化炭素、つまりCO2に応答しやすく、人がいるときの判別が難しいことです。
今回使用したのは、②の方ですので、CO2にはほとんど応答しません。それでも結局、人がいるときの手洗いや料理などで揮発する物質に、多く反応していることが読み取れますね。


⭐PM2.5(空気汚染物質の代表例)
次は、こちらです。
測ってみて、やっぱりな、と思うのはこちらの方です。都市部で健康を考えるなら、自然素材よりも、換気やフィルターにこだわった方が良いかもしれない、と思える結果です。


まず、東京都環境局から引用すると、「微小粒子状物質(PM2.5)とは、大気中に浮遊している粒子状物質のうち、粒径2.5μm(マイクロメートル、1μmは1mmの千分の1)以下の粒子のことです。
PM2.5は、非常に小さいために呼吸器系の奥深くまで入りやすいことなどから、人の健康に影響を及ぼすことが懸念されています。」


環境局の他のページには「日本においても平成21年9月、PM2.5の環境基準が設定されました。1年平均値15μg/m3 以下であり、かつ、1日平均値35μg/m3以下であること。
(環境基本法第16条第1項に基づく、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準)」
とあります。では、我が家は?

左の軸と青の線がPM2.5, 右の軸と橙の線がPM10(10 μm以下の粒子)です。
PM10は日本では基準値がなく、WHOの基準値では年平均でPM2.5 が日本の基準より厳しく10, PM10が20以内です。
そして、2つのグラフの形はそっくり!
PM2.5とPM10は、どこかから、一緒に我が家にやって来ていることがわかります。
上の我が家の測定値は、どちらもほとんど、WHOの基準値も下回っていますが、22日の夜に急上昇しているのが気になります。


これはなんなのか?今度は、原因を確かめるため、環境省のページ大気汚染物質広域監視システム(そらまめ君)を見てみました。このサイトでは、全国各地の大気の測定値の速報が、一週間分調べられます。


ここで調べた、我が家から数km以内のいくつかの場所のPM2.5の測定値を平均した値と、我が家の測定値とを重ねて作ったグラフが↓これです。

左の軸と青線が我が家のリビングの測定値。
右の軸と赤線がそらまめ君のデータから算出した、我が家のある地域の平均です。
そっくりですね!リビングのPM2.5は、屋外と連動していることがわかります(ToT)


でもフィルターがあるのでは?そうです!左右の縦軸をご覧ください。左軸が我が家のリビング、右軸が外気。数字を見ると、3倍違いますね(^o^ゞ
フィルター、ちゃんと働いています!やはり、屋内の方が空気がキレイですね(^○^)


では、この我が家のある地域の空気汚染の原因は???
そらまめ君では、PM2.5以外にも様々な測定データが公開されています。
それをみると、

赤線のPM2.5と、それ以外の、排気ガスに多く含まれる様々なNOxの値が、かなり連動していました。


先日の24時間換気のフィルターの真っ黒な汚れ、主因は排気ガスのようですね。。。


どこかから、飛んできた?

風速とPM2.5のデータを重ねてみました。
風が強いときは、PM2.5が減っています。
とすると、逆ですね。。。
この排気ガスの多くは、東京近郊で発生していて、風が強いとむしろ、どこかに飛んでいって、東京の空気がキレイになる、ということが読み取れますね(^_^;)


さて今回、新居ではトータルで屋外の3割程度までPM2.5を減らせていること、我が家のPM2.5の原因の多くは東京近郊で発生した排気ガスのようであることがわかりました。
外気の汚染はPM2.5に限ったわけではなく、様々な大きさの粒子があるはず。実際、我が家のリビングでの測定値でも、PM10の方が多かったです。 大きな粒子の方がより、換気扇のフィルターで減っているでしょう。


本当は今回の結果、あれだけフィルターについて頑張ったので、もっとPM2.5が減っていて欲しかったですが、先日も色々調べたように、フィルターの目を細かくすれば何でも解決するというものでもありません。また、これはフィルター性能そのままではなく、空気清浄機も使っている反面、生活のなかで日に何度もドアや窓の開け閉めもしたうえでのトータルの結果です。


実際の生活で、PM2.5も基準値をほとんど下回っているので、安心できましたし、建て替え前の旧居でもわかっていたことですが、やはり今回、我が家には、気密と換気フィルターが大切で、優先順位が高くて正解だったのだ、と再確認したのでした(^○^)
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注: (後日追記)
「え、1/3だけ?スティーベルLt-50ってそんなに性能悪いの?」と思った方へ


実は、今回の、屋内が屋外の1/3程度というPM2.5濃度は、ビルのセントラル空調と比べても、非常に良い値です。


上記や、他のページもですが、このブログでは、家庭で手に入る計測器でも、DIYでこの程度わかりますよ、(住宅業界でよくある下手な広告よりは正しい程度に)大まかには間違えてないから安心できますよ、というデモのつもりで、その性能で間違えが少ない範囲の記載に留めて書いています。


例えば、上では、今回の最後の結論、我が家の屋内のPM2.5濃度は屋外の1/3程度だった、こんなものかな、と緩く書いています。この値は、様々な住宅向けの宣伝を見慣れている住宅業界のプロの方や、計画中の方、施主の方、新築にお住まいの方からは、「なんだこんなものか、大したことないな」と思う値かもしれません。


しかし、実は、この値が本当に間違いないなら、過去の公開されているデータと比較すると、例えば空気調和・衛生工学会シンポジウム資料を見ると、事務所ビルのセントラル空調の良い方の値に相当します。


なんでこんな悪い値が?と思う方もいらっしゃるでしょうが、「PM2.5 99%除去」という宣伝のフィルターをつければ屋内の濃度が1/100になるわけではないことは、むしろ、フィルターを少しでも業務で扱っている人たちの常識です。(そして、フィルターの宣伝も間違ってはいません。)


例えば、99%除去と宣伝しているシステムの実際の効果が知りたく、資料を探しましたが、住宅のセントラル空調機器の実際の住宅での公開されている資料は見つけられませんでした。もし、私と同じようにDIYで測定される方がいらっしゃれば、わかるでしょう。


ですが今度は、我が家で測定した1/3が本当に正しいか?というと、測定器の応答、という意味での測定結果の概要は今回、信頼性が高いことがわかりましたが、値をどこまで信用できるかの確認はとってません。
測定の専門家用の機器は、しっかり校正されているため、どれも価格帯の桁が異なりますので。


自分で校正するには例えば、一週間くらい、今度は屋外で測定して、そらまめ君の値と比較する、という確認が必要になります。
今回は、そこまでの校正はしてない一方、大まかに見て間違った議論もしていないので、それで済ましています。(そのうち暇を見つけて校正します。)
(後日追記:校正しました。驚くほど、基地局のデータと一致していました(^^♪)


また、もしもっと細かく議論しようとすると、お読みになる方も私も、例えば、東京環境局のページの下の方にあるPM2.5の研修会の資料程度は、目を通していることが前提となるでしょうし、そうでないなら、さらに文の量が数倍になるかと。。。
そのため、これでも色々省略しているため、大きな間違いがない範囲で、かなり雑な議論になっています_(._.)_
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↓テーマ毎のブログ記事のまとめも参考になりますね♪

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