新築したので実験しよう!

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断熱材の熱拡散率だけ考える???

twitterあまりみてないので、よく知らなかったのですが、断熱材の熱拡散率が話題になってるみたいです。取り上げられ方がちょっと気になったので、触れときます(^^ゞ


急に気になり出してざっと書いたので、おかしい箇所ありましたら、ご遠慮なくご指摘くださいm(_ _)m


熱拡散率の説明は

がわかりやすいです。とくに、図1の水槽の図です。

一定温度なら、入れる水の高さ、一定熱量なら、入れる水の量を揃えて、考えます。


どうも、twitter上で、普通の蓄熱の話とは区別して、「断熱材のみの熱拡散率の数値の比較」が話題になっているらしいです。


元の目的はともかく、少なくとも、その仕組みを知らない一般の施主の方々にまで拡散されてしまう説明としては、ミスリーディングになりそうに感じられましたので、記事にしました(^^ゞ


ミスリーディングといっても「建材の宣伝」としても「研究開発」としても「設計資料」としても、断熱材の物性の比較は至極もっともで、正しいです。


間違ったことは全然書かれてないので、むしろ、善意で啓蒙されようとしているように見えるのですけれども。。。


つまり、メーカーの説明としては正しいですが、例えば、もしも、壁の構成も設計しない施主が、断熱材の熱拡散率の比較データ「だけ」を元に断熱材の材質や銘柄「だけ」を指定する、という状況が生まれると、それは完全にミスリーディングですので、それを心配しています(^_^;)


数値を使った定量的な説明は、masuraoticさんが色々試算されてるところみたいなので、ここでは定性的な見方だけ。


さて、一番上のリンクの説明にしたがって、壁面の中の断熱材部分だけ考えると、定性的には


1)入力の温度を一定にすると、定常状態(温度変化のない状態)の温度分布は、ほぼ熱伝導率だけで決まり、熱容量が大きいと、その分、壁面への蓄熱は大きくなる。

この場合は、熱伝導率だけ考えると楽だが、熱伝導率が同じなら、熱拡散率が小さいほど蓄熱が大きくなる。


2)入力を一定の熱にすると、熱伝導率が小さいほど、熱容量が大きいほど、入力の出力への影響が小さくなる。

この場合は熱拡散率だけ考えると楽。


ということがおわかりになるかと思います。


そうするとより具体的には、下記のように考えられます。


まず、内外温度差だけ考えるなら、1のケースなので、定常状態では熱拡散率はほとんど関係ない。


蓄熱や温度変化を考えると、もちろん、関係ありますし、断熱材の熱容量でのみ判断するのは、断熱材の研究開発や宣伝の目的では正しいです。

一方、個別の住宅の、実際の壁を考える場合には、壁面の断熱材以外の材料の熱拡散率も考えて設計するべきですね(*^^*)


○屋内に一定の熱量を設定すると、今度は2のケースなので、熱拡散率が低いほど(熱容量が大きいほど)その熱で生まれる屋外との温度差が小さくなる。


これも結局、断熱材以外に蓄熱材を用意したのと同じ話。つまり、実務者の方々はよくご存知の、熱伝導率の小さな断熱材の内側に、熱容量の大きい、コンクリートによる蓄熱の話と同じです(*^^*)


例えば、日射取得や内部発熱、一定時間の暖房や冷房の開始で内外温度差を作り出すことが難しくなる。一方、充分蓄熱された後は、多少の熱で、内外温度差は崩れにくくなる。


また、屋外に一定の熱量を設定すると、2のケースなので、熱拡散率が低いほど、その熱で生じる温度差が小さくなる。つまり、屋外が局所的に加熱や冷却された場合に屋内の温度への影響が小さい。

ですよね(^^ゞ


恐らく、断熱材の熱容量の見方についての啓蒙目的で出てきた話と思いますが、もし蓄熱や熱容量のために、断熱材の熱拡散率を真剣に考えるなら、壁面を構成する断熱材以外の部材の熱容量・熱拡散率も考慮に入れないと、壁面の計算として成立しません。


twitterの話の流れがよくわかってない人が書くのも気が引けるのですが、一般の計画中の施主の方々へのミスリーディングを避けるため、気になったので、書いておきますm(_ _)m

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